タバコの狡猾な洗脳(簡単な禁煙法)

ここまでに何度かタバコは洗脳であると語ってきましたが、洗脳という言葉を使ったのは故アレン・カー氏の受け売りであり私に禁煙を決意させてくれた言葉でもあります。この大袈裟に聞こえる表現が決して誇張では無い事を説明していきます。
タバコは美味しいという洗脳
もし親が喫煙者であれば、私自身がそうだったようにその親の子は必ず疑問に想う。「タバコって美味しいの?」。私の父はそんな疑問に明確に答える事は出来ませんでしたが吸っていると落ち着くが子供の体にはとても悪い物だと語っていた記憶があります。仮にタバコを美味いと思っていても子供に「タバコは美味いぞ!」と語る親は稀でしょう。体に悪い事は当然知っている事だし子供がマネして吸わないように、場合によっては誤って食べたりしないように美味い物だとは答え無い筈です。
しかし喫煙者の子はずっと疑問を抱きながら育つ事になります。どうしてタバコを吸い続けるのか?きっと美味しいに違いない。そして一度吸ってみたいという欲望が湧いてきます。これは特別な事ではなく自然な事だと思います。しかし幸いにも我が家はタバコが家の中に放置されているような環境では無かったので、お釣りで買えるガムやチョコを餌に父にタバコを買いに行かされる事はあってもコッソリ親の目を盗んで吸う機会というのはありませんでした。何より甘く強烈な刺激のするチョコレート、何種類もの味があるスナック菓子、新味の飴、人気キャラクターのガム、冷やりと爽快なアイスクリーム他、子供にとってタバコよりずっと魅力的な物が世の中に溢れていましたからね。
私も10代半ばになりある程度は大人になったという自覚が出てきてチョコレートやスナック菓子では心動かない年頃になりました。その当時の私の心を奪ったのは流行りの歌やドラマ、テレビタレント、テレビゲーム、贔屓のスポーツチームやスポーツ選手だったりと一般的な10代の少年と変わらなかったと思います。自我を強く意識しだす反面、感化されやすい年頃でもあり今までの私の人生の中で最も激しく喜怒哀楽を感じて生きていた時だったような気がします。そしてそんな大人のつもりでまだまだ精神的に未熟な年頃の少年少女を誘惑する代表的なアイテムが2つ。その内の一つはお酒。私も10代の頃にお酒に手を出しましたが、体質的に全く合わなかった為に飲み続ける事はありませんでした。個人的にお酒の飲めない体質に生まれたのは不幸なようで幸運だと思っています。そしてもう一つがタバコ。当初はタバコも自分の体質には合わない物だと思っていました。何故ならテレビで見る俳優が美味しそうに、そして気持ちよさそうに吸っているのに私には全く美味しいと感じられなかったからです。
しかし10代後半に入り本格的にタバコを吸い始めた事はタバコを吸い始めたきっかけで書いた通り。どうしてあんなに不味かったタバコを本格的に吸い続けるようになってしまったのか、今になって気付いた事が幾つかあります。昔から酒、タバコの広告には「二十歳になってから」とか商品その物に「未成年は禁止」といった旨の記載があります。その記載が目に入ろうが入るまいが、どちらも二十歳になってから許される物である事は子供でも知っています。とりあえずここでは酒の事は置いといてタバコの事だけを考えるとしましょう。「突然ですが質問です。喫煙者の多くは律儀に20歳以上になってからタバコを始めたと思いますか?」正確な統計はありませんが大半の喫煙者は私と同様に10代から吸い始めた人が殆どでしょう。何故なら何か特別なきっかけでもない限りは20歳を過ぎて成熟した思考の大人が安易にタバコに手を出す事など稀なのです。いや20代はまだまだ幼稚な人が多いと思うでしょうが、二十歳を過ぎて罠にはまるような人は大概10代で既にはまっていると考える方が正しい。実際私の周りの喫煙者の殆どはタバコを始めた時期が10代であり、ちょっとだけ吸ってみたという経験はあっても成人後から本格的に吸い始めたという例は稀でした。
もっとタバコの罠を明確にしていきます。未成年は禁止と言っておきながらもタバコ会社は未熟な思考の10代を標的にしている節があります。特に私の10代の頃はそう考えられる部分が多かった。現代では世界的にタバコや喫煙者への風当たりが強くなった為に10代の少年少女を依存症者にして後の上客にするのは難しくなってきてはいますが、私が10代の頃は学生服を着た未成年者でも堂々とコンビニでタバコを買えたし、今のようにtaspo(タバコ自販機用の成人識別カード)が無くても自販機でタバコが買えました。何より当時のタバコはちょっと贅沢なチョコレート並に安かったから子供でも小銭があれば至る所でタバコを手に入れる事が出来たのです。
何故10代がタバコにはまるのかは意外に簡単に説明出来ます。一つはカリギュラ効果というやつ。カリギュラ効果とはダメと禁止された行為をやりたくなる人間心理の事です。見てはダメと言われたら見たくなる、してはダメと言われたらしたくなる、こんな心理は誰にだってありますが10代の頃は特にカリギュラ効果の影響が強く出る傾向があります。二十歳になるまで吸ってはダメだと言われれば吸ってみたいと思うのは不思議でも何でもない。強く興味をそそるだけじゃないでしょうか。本当に未成年に吸わせたくないなら体の発育に悪影響があり身長が止まる事や依存性があり常習者になる事、量を制御出来なくなった依存症者が沢山いる事も箱に記載するだけでなくメディアを通して大々的に伝えるべきでしょう。
もう一つはファッション性。上の方でも書きましたがテレビドラマや映画で見る俳優がカッコよくタバコをふかしたり気持ちよさそうに吸えばタバコの未経験者はタバコが美味しそうに見える筈です。感化されやすい10代の少年少女は自分もちょっとやってみようかなと思うでしょう。近年はテレビや映画でタバコをお洒落にカッコよく演出する事に対して世界的に批判が挙がるようになったので昔ほどではありませんが、今でも一部のメディアの中ではカッコいいアイテムとしてタバコが登場する事は珍しくありません。私の10代の頃と比べれば現代のタバコはファッション性がかなり落ちましたが、まだまだお洒落でカッコいいアイテムだと思わせる罠は至る所に残っています。しかしここで疑問が。初めてのタバコは明らかに不味い。ヘビースモーカーでも初めて吸った時のタバコが不味かったのを何となく覚えているのではないでしょうか。どうしてこの不味いが美味いに変わるのか?これこそがタバコの洗脳です。
- 「あれ、不味い?みんな美味しそうに吸ってるのにおかしいな?」
- 「やっぱり不味い、もっと吸い続けると美味しくなるのかな?」
- 「タバコが美味しいと思えるようになって初めて私は大人の仲間入りをする」
- 「タバコの味が分かって一人前だ、もっと吸わなくては」
- 「タバコに慣れてきた、やっぱりタバコは美味しいのだ」
過去の自分を思い出してほしい。タバコは美味しい物に違いないのだと洗脳されているからタバコが不味い事に本当は気付いていたのに吸い続けてしまった。あの時の気持ちは間違っていなかった。ヤニで汚れていなかった正常な私の体は正直にタバコを拒んでいたのです。しかし様々な情報の刺激により洗脳された頭は体を騙し続け、いつの間にかタバコが美味いと本当に思い込んでいる。タバコで1日が始まると思っているしイライラを抑制するとも思っている、数少ない人生の楽しみを与えてくれると思っている、惨めな自分を励ましてくれると思っている。いつの間にか気付いたら見事なまでに心も体も完璧に洗脳されているではないか。いや納得いかない、タバコは実際に美味しいし美味しく感じているのは間違いないと思う方もいるでしょう。そんな方も含め簡単な禁煙法の関連ページを読み進めていく事で納得の答えが得られる筈です。
簡単な禁煙法の関連ページ
- 簡単な禁煙法
- タバコを吸い始めたきっかけ
- タバコを止めたきっかけ
- タバコで得ている物と失っている物
- タバコの狡猾な洗脳(現ページ)
- タバコの洗脳を詳しく知ろう
- ニコチンのメカニズム
- ニコチン依存症と麻薬
- ニコチンと禁断症状
- 禁煙を難しいと思わせる罠
- 間違いだらけの禁煙法
- まずは減タバコから
- タイミングと準備
- さあ禁煙開始だ
- 魔の16時間を乗り切れ
- 役立つ行為やアイテム
- 禁煙を勇気付けるデータと体感
- 1本だけが全てを無駄にする
- 禁煙うつについて
- 禁煙1ヶ月間の記録
- 反タバコ過激派達
- アレン・カーによろしく
※上のページは約6年前に制作したサイトから転載した物になります。
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