禁煙うつについて(簡単な禁煙法)

禁煙鬱

禁煙により身体的、または精神的変化によりうつ状態になる人が一部でいるようです。巷ではこれを禁煙鬱と呼んでいますが、全ての人がなる訳では無く発症する時期や期間、症状も千差万別で禁煙者を苦しめます。禁煙うつは禁煙の最後の試練と言えるでしょう。ここからは私の経験を交えて禁煙うつに関してこのページで詳しく書いていきます。実は私にとって禁煙で最も辛かったのは魔の16時間でも禁煙開始後の3日間でも無く、ニコチン離れが完全に進んだ後にやってきた禁煙うつでした。禁煙うつを全く経験しない人、経験しても期間が短かったり症状の軽い人もいるらしく、当初は私には無縁の事だと考えていました。しかしこの考えは甘かった。

それがやってきたのは禁煙開始から約3週間経過後でした。禁煙していると凄い眠気に襲われるとかうつ状態になるなんて話はネットで見ていましたが、まさかここにきて禁煙うつになるなんて夢にも思いませんでした。最初は変な眠気が昼間に襲ってくる事があり寝不足なのかなぐらいにしか考えなかったのですが、夜になると逆に寝付けなくなり心が不安で一杯になりました。睡眠時間が短くなったのが禁煙うつの引き金になったのかは分かりませんが、目が覚めても起き上がれない程の無気力、それでも何とか起きるも頭が重い状態で腹は減っているのに何か食べようという気力が無くなりました。その時私はなるほど、これが禁煙うつというやつかと冷静に自己分析しましたが、理屈で辛さが消える訳では無くちょっとした小さな事でイライラしたり異常に落ち込んだりしました。

しかしここで私は焦らなかった。喫煙時の頃にだってうつ病を経験していたからです。しかも私はうつ病を自力で直した自負がありました。禁煙うつは本物のうつ病と症状自体はさほど変わりませんでしたが、喫煙時の頃に経験したうつ病ほどの辛さはありませんでした。あの頃は一日中何も食べれない程に弱っていましたからね。しかも禁煙うつは食は細るのですが、それなりに食べる事が出来たし一日中辛い気持ちが続くわけでもありませんでした。気持ちが重いのは朝起きた時がピークで次第に軽くなっていき、再び一時的に重くなる症状を繰り返す感じでした。私はこの時期、焦らずにじっくり治していこう、辛い時は無理はしないでマイペース、周りに正直に話して理解してもらおうという前向きな気持ちで過ごしました。そして私の禁煙鬱は2週間も続きませんでした。

しかし禁煙うつはうつ病を経験した事の無い人なら途方もない恐怖を感じるに違いない。本物のうつ病とはメカニズムが異なる筈ですが症状や気持ちの落ち込みは殆ど変らずに辛いです。そして何より最悪なのはタバコを吸えば回復するかも、この辛さから逃れられるかもと考えてしまう事です。実は私もこの辛さがこの先も長く続くならリセット覚悟で一旦吸ってしまおうかとギリギリまで考えていました。結果、吸ってしまう前に禁煙うつは治りましたが、あと1週間長ければ吸ってしまっていたかもしれない。それと禁煙うつは人によって発症する時期がまばらで非常に長く続く事もあるらしい。禁煙開始3ヶ月後辺りに発症して1年ほど続いたなんて気の毒な方もいるようです。しかしそんなに長く禁煙鬱が続いても乗り越えられた人は本当に立派であり賢者だと讃えたいものです。

禁煙鬱のメカニズム

さて、どうして禁煙うつになるのかというメカニズムをここで解明していきます。先に一応書いておきますが私は脳科学者でも心理学者でも医者でもないので情報の正確性は保証しかねます。まず禁煙時のストレスの仕組みについて書きます。喫煙者はニコチンの摂取でドーパミンを放出して快楽を得ている事は今までに散々書いてきました。しかし本来ニコチンは人間には不要な物質であり非喫煙者はアセチルコリンという神経伝達物質が普段この役割を果たしています。アセチルコリンとニコチンは非常に似た構造で、常習的にニコチンを摂取し続けるとアセチルコリンの役割をニコチンが乗っ取ってしまう為にアセチルコリンの体内での生成が弱る他、ニコチンの刺激じゃなければ満足出来なくなります。そして禁煙した場合、つまりニコチンの摂取を止めた場合にいつもの快楽が得られないだけでなく非喫煙者のようにアセチルコリンを生成出来ないのでイライラや不安感でストレスが発生します。

しかし禁煙うつの仕組みは非常に複雑です。もし上で書いた現象によるストレスだけが原因なら禁煙開始から2週間後だったり1ヶ月後や3ヶ月後に発症する事が説明出来ません。どうして脳がかなり回復している段階で禁煙うつになるのか?これにはどうやらストレスホルモン、場合によっては抗ストレスホルモンと呼ばれる物が関わっているようです。人間はストレスを感じるとそのストレスから身を守る為に腎臓の上の辺りにある副腎という場所からストレスホルモンを分泌します。この分泌されたストレスホルモンは気持ちを落ち着かせたり時に高揚させたりする作用があります。私が禁煙を開始してから約1週間ほど経過後に一時的に異常なほどの高揚感を感じる事があったのは、恐らくストレスホルモンによる作用でしょう。禁煙によるストレスを感じながらも副腎がそれに耐える為のストレスホルモンを分泌していた訳です。

しかしこれが長期に続いていくと困った事になります。ストレスホルモンは副腎から無限に分泌出来る訳ではないので長期間のストレスに対して分泌され続けるといずれ枯渇状態になります。こうなった場合、普段のストレスに対応出来なくなり普通に生活するのも辛い状態になります。他にストレスホルモンの副作用により元気がなくなるという話もあります。私は禁煙を開始してから間が空いてやってくる禁煙鬱に対して非常に不思議に感じていましたが、なるほどこれが禁煙鬱の仕組みだ。ストレスホルモンが枯渇して切れた辺りで鬱がやってくる訳ですね。

因みに私が調べた所では脳内物質のセロトニン不足が禁煙うつの原因と説明するサイトもありますが、これだと禁煙から何週間後も後にうつになるのは不可解すぎるので釈然としません。ただ一般的なうつ病は食事や生活の乱れでセロトニン不足になる事が原因の一つともされているので全く無関係では無いと思います。そして通常のうつ病も禁煙うつも対処法としては無理しない事、ゆっくり休む事、良く寝る事、しっかり食べる事です。うつ病になると眠れなくなるので睡眠不足で更にうつ病を悪くしてしまう悪循環に陥る場合がありますが、完全に睡眠していなくてもベッドで横になって目をつむっているだけでも十分です。それだけでも内臓が休まるし大体70~80%の睡眠効果が得られるようです。

長期に渡る禁煙うつ

長期の禁煙うつは自身で経験した事が無いので正確なアドバイスは出来ませんが、もう限界という前に是非悪あがきしてほしい。私はニコチンガムやニコチンパッチといった禁煙補助薬には否定的ですが、最後の手段として使うのは有りかもしれません。また、禁煙外来でお医者さんの指導を受けてみるのもいいかもしれませんが禁煙補助薬を出されるだけで終わるならあまり意味がないかもしれません。

それと大事な事を一つ。禁煙うつが酷い場合、死にたいといった感情が現れる事もあるらしいのですが、その場合は禁煙を続行するよりもうつを解決する方を優先するべきです。そもそもうつは心の矛盾が発生するので禁煙が辛いので死のうなんて馬鹿げた矛盾の感情も出てきます。基本的には非喫煙者より喫煙者の方がうつを深刻化するので喫煙でうつを解決出来ると考えるのは間違いですが、タバコを1本吸ってみてうつが落ち着くようであれば一旦禁煙をリタイアするのも仕方ないでしょう。ここで禁煙をリセットしてしまうと再度禁煙するのも振出しからなのでもったいないのですが、心を完全に壊してしまうよりはタバコを吸っている方がマシだし禁煙へのチャレンジはいつだって出来ます。

簡単な禁煙法の最後に

簡単な禁煙法の関連記事はまだ幾つかありますが、とりあえずはこのページが最後になります。簡単と言っておきながら難しいじゃないかとか、全然タバコを止められそうにないとか色々と苦情はあるかもしれません。ただ最後に私に言える事はやっぱり禁煙は簡単だという事です。20代の頃に挑戦した禁煙がとてつも無く難しかったのは、タバコの洗脳に掛かったまま禁煙に挑戦していたからでしょう。しかし絶対一生無理だと思っていたにも関わらずあっさり禁煙が出来てしまったのはタバコの洗脳が解けたからでしょう。タバコを止められるか止められないかはタバコを理解しているか理解していないかがやはり重要だと考えます。そう、やっぱり禁煙は簡単です。それを物語る古くからある名言を一つ。

「禁煙なんて簡単さ。私は何百回もやっているよ。」

いや、これはむしろ禁煙の難しさを物語る迷言でしたね。冗談はさておき禁煙は本当に簡単です。何度も禁煙に失敗して禁煙を諦めていた喫煙歴20年以上のヘビースモーカーで、タバコは人生で唯一の趣味、唯一の喜び、唯一のご褒美だと思っていた極度の依存症の私にだって出来たのです。こんな私に出来て貴方に出来ない訳がないじゃないですか。

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※上のページは約6年前に制作したサイトから転載した物になります。