重要なビタミンの話

2021年4月25日

ビタミン

私たちが健康を維持する為に必要とされる三大栄養素としてタンパク質、炭水化物(糖質)、脂質は有名ですが、これら三大栄養素にビタミンとミネラルを加え五大栄養素と呼ばれているのは意外に知られていません。今回はその五大栄養素の内の一つであるビタミンについて書いていきます。

ビタミンは大きく分けて水に溶けやすい水溶性と油脂に溶けやすい脂溶性の2種類に分類され、水溶性ビタミンは体外に排泄されやすく脂溶性ビタミンは蓄積されやすいという特徴があります。この特徴から水溶性ビタミンは一度に大量に摂取しても効果が薄く小まめに摂取する事が理想で、脂溶性ビタミンは油と一緒に摂取すると吸収が良くなると言われています。

ビタミンと聞くと何となく果物、特にレモンやイチゴなどの酸味の強い物を連想しますが、ビタミンには様々な種類があり、果物から摂取出来るビタミンの他に肉類やキノコ、一部には腸内の細菌が作り出していたり日光を浴びる事で自然に体内で作り出せる物もあります。

ビタミンが不足している場合、一般的にニキビなどの肌荒れといったお肌の不調を想像しますが、それ以外にもウイルスや細菌から体を守る免疫力の低下や細胞の代謝の低下、血液の生成の低下、物によっては精神の不安定にも深く関わっています。最近ではサプリメントで手軽にビタミンを補給する事が出来るようになりましたが、逆に特定のビタミンはサプリメントといった物から過剰摂取する事で体を壊す原因にもなります。

各ビタミンの効果

ビタミンには多くの種類がありますが、それぞれの効果や含まれる食品、適切な摂取量や過剰摂取による有害性について私が調べた情報を下に纏めていきます。因みに推奨摂取量はその言葉通り健康を維持する為に必要な一般的量で、耐容上限量は殆どの人が摂取しても過剰症を起こさないであろう最大量となります。但しこれらの量の目安は子供や高齢者の場合で異なります。

ビタミンA
ビタミンAは油に溶けやすい脂溶性ビタミンで、別名としてレチノールとも呼ばれます。皮膚や粘膜を健康に保つ効果や暗順応(暗所に慣れて見えるようになる機能)に関わっています。主にレバーやうなぎに多く含まれており、チーズやバターといった乳製品や卵にも含まれています。他に緑黄色野菜に含まれるβ-カロテンから体内で必要量を生成する事が出来ます。1日当たりの推奨摂取量は成人で900µgRAE、耐容上限量は2700µgRAE。日常的に不足すると暗順応に悪影響がある他、免疫力の低下、皮膚や粘膜の乾燥で感染症にかかりやすくなります。サプリメントの過剰摂取による有害性が知られており、急性の症状として腹痛や嘔吐、めまいが表れ、慢性の症状では関節痛や皮膚の乾燥、脱毛といった症状が表れます。
ビタミンB1
ビタミンB1は水に溶けやすい水溶性ビタミンで、別名チアミンとも呼ばれます。体内で糖質からエネルギーを作り出す働きを助ける効果や神経を正常に保つ効果があります。主に豚ヒレ肉に多く含まれておりハムやベーコンといった豚肉の加工品、大豆を含む豆類から摂取出来ます。1日当たりの推奨摂取量は成人で1.4mgで、必要量以外は尿と一緒に排泄される為、過剰摂取による有害性は心配ないとされています。不足すると代謝が滞る事で乳酸が溜まりやすくなり疲れやすくなったり疲れが取れない症状が出ます。
ビタミンB2
ビタミンB2は水に溶けやすい水溶性ビタミンで、別名リボフラビンとも呼ばれます。脂質の代謝を助け爪や皮膚、髪の成長と健康を維持する働きがあります。卵や納豆、レバーに多く含まれています。1日当たりの推奨摂取量は成人で1.6mgで、必要量以外は尿と一緒に排泄される為、過剰摂取による有害性は心配ないとされています。不足すると皮膚や粘膜の炎症が起こりやすくなり口内炎やニキビ、吹き出物の原因となります。
ビタミンB6
ビタミンB6は水に溶けやすい水溶性ビタミンで、別名ピリドキシンとも呼ばれます。タンパク質からエネルギーを作り出す効果やアミノ酸への分解、皮膚や粘膜の健康を維持するのに必要となります。カツオやマグロ、レバー、ニンニクに多く含まれている他、腸内細菌からも生成されます。1日当たりの推奨摂取量は成人で1.4mgで、耐容上限量は60mg。不足すると皮膚炎やニキビ、吹き出物ができやすくなります。また、ビタミンB6の不足で精神が不安定になりうつになりやすくなるとされています。サプリメントなどによる過剰摂取では神経障害を起こす事例が報告されています。
ビタミンB12
ビタミンB12は水に溶けやすい水溶性ビタミンで、別名コバラミンとも呼ばれます。葉酸と共に赤血球を生成する働きや神経を正常に保つ効果があります。しじみやあさりといった貝類に多く含まれておりレバーや海苔からも摂取出来ますが、野菜や果物からは摂取出来ないビタミンです。1日当たりの推奨摂取量は成人で2.4µgで、必要量以外は尿と一緒に排泄される為、過剰摂取による有害性は心配ないとされています。不足すると赤血球の生成に支障が出て悪性貧血を引き起こします。
ビタミンC
ビタミンCは水に溶けやすい水溶性ビタミンで、別名アスコルビン酸とも呼ばれます。最も身近で知られているビタミンであり、コラーゲンの生成や皮膚、粘膜の健康維持に不可欠です。しみの原因となるメラニンの生成を抑える働きや免疫力を高める効果、副腎皮質ホルモンの生成を助けストレスに強くなる効果など、様々な効能が知られています。レモンやアセロラ、イチゴといった果物、パプリカと呼ばれる赤ピーマンや黄ピーマン、ブロッコリーなどの野菜に多く含まれています。1日当たりの推奨摂取量は成人で100mgで、必要量以外は尿と一緒に排泄される為、過剰摂取による有害性は心配ないとされていますが、サプリメントから摂取する事で腎結石のリスクが高まると言われています。不足するとストレスに弱くなる他、免疫力も低下して感染症にかかりやすくなります。他に壊血病になり歯茎から出血したり関節が痛む症状が表れます。
ビタミンD
ビタミンDは油に溶けやすい脂溶性ビタミンで、別名カルシフェロールとも呼ばれます。カルシウムとリンの吸収を促進する働きや、血液中のカルシウム濃度を一定に保ち骨や歯の形成を助ける効果があります。日光を浴びる事で体内で作り出す事が出来るビタミンで、しらすや鮭、干しシイタケなどからも摂取出来ます。1日当たりの推奨摂取量は成人で5.5µgで、耐容上限量は100µg。不足すると歯や骨の形成に支障をきたし骨軟化症を起こしたり骨が脆くなる原因になります。サプリメントによる過剰摂取により高カルシウム血症となり腎機能に障害を引き起こす危険があります。
ビタミンE
ビタミンEは油に溶けやすい脂溶性ビタミンで、別名トコフェロールとも呼ばれます。強い抗酸化作用があり体内の脂質の酸化を防ぐ効果があります。その効果により動脈硬化の予防や老化の原因となる過酸化脂質の生成を抑える働きがあります。身近な食品ではアーモンド、唐辛子、べにばな油に多く含まれています。1日当たりの推奨摂取量は成人で6.5mgで、耐容上限量は900mg。不足すると動脈硬化などの生活習慣病を招く他、老化の進行の原因となります。過剰症は起こりにくいとされていますが、サプリメントなどからの取り過ぎにより出血傾向になる事や骨粗しょう症のリスクを高める可能性が示唆されています。
ビタミンK
ビタミンKは油に溶けやすい脂溶性ビタミンで、別名フィロキノン/メナキノンとも呼ばれます。出血の際に血液を凝固させる成分の合成に関わっている他に、カルシウムを骨に定着させる役割があり健康な骨や歯を維持するのに必要です。納豆やホウレン草に多く含まれていますが腸内細菌からも生成されます。1日当たりの推奨摂取量は成人で150µgで、過剰摂取による有害性は心配ないとされています。不足する事は非常に稀ですが、不足した場合は骨が脆くなるとされています。
ナイアシン
ナイアシンは水に溶けやすい水溶性ビタミンで、別名ニコチン酸/ニコチンアミドとも呼ばれます。他にビタミンB3とも呼ばれB群に属します。三大栄養素であるタンパク質、糖質、脂質の代謝に不可欠で体内に入ったアルコールの分解にも関わっています。他に皮膚や粘膜の健康維持に必要となります。たらこやマグロ、カツオ、イワシといった魚類、鶏のささみや胸肉に多く含まれています。1日当たりの推奨摂取量は成人で15mgNEで、耐容上限量はニコチン酸で85mg、ニコチンアミドで350mg。不足すると食欲不振や消化不良、極度に不足するとペラグラという病気の原因となります。サプリメントなどによる過剰摂取により嘔吐や下痢、肝機能障害を引き起こす可能性があります。
パントテン酸
パントテン酸は水に溶けやすい水溶性ビタミンです。三大栄養素であるタンパク質、糖質、脂質の代謝に関わっており特に糖質と脂質の代謝に重要な働きをします。他に善玉コレステロールを増やしホルモンや免疫抗体の合成を助けます。鶏レバーや豚レバー、納豆、干し椎茸などに多く含まれています。1日当たりの推奨摂取量は成人で5mgで、過剰摂取による有害性は心配ないとされています。不足すると免疫力の低下や悪玉コレステロールの増加、それに伴う動脈硬化の原因となりますが通常の食生活では殆ど不足する事は無いと考えられています。
葉酸
葉酸は水に溶けやすい水溶性ビタミンで、別名プテロイルグルタミン酸とも呼ばれるビタミンB群に属するビタミンです。タンパク質や細胞の生成に深く関わりビタミンB12と共に赤血球を生成する働きがあります。レバーに多く含まれている他、枝豆やホウレン草、海苔からも摂取出来ます。1日当たりの推奨摂取量は成人で240µgで、耐容上限量は1000µg。通常の食生活では殆ど不足する事は無いとされていますが、不足すると悪性貧血や口内炎、肌荒れ、免疫力の低下に繋がります。サプリメントなどによる過剰摂取で神経障害や発熱、じんましんを引き起こす報告があります。
ビオチン
ビオチンは水に溶けやすい水溶性ビタミンで、別名ビタミンHとも呼ばれますがビタミンB群に属します。三大栄養素であるタンパク質、糖質、脂質の代謝に関わっており皮膚の炎症を抑え皮膚を健康に保つ働きがあります。干し椎茸などのキノコ類に多く含まれていますが腸内細菌からも生成される為、通常不足する事はありません。1日当たりの推奨摂取量は成人で50µgで、過剰摂取による有害性は心配ないとされています。

ビタミンは自然食品からの摂取が理想

ざっと各ビタミンの効果を読んでいただければ分かる通り、バランスの良い食生活を送っている場合は不足しているビタミンは殆ど無いと思われます。但し食生活に気を使っていても喫煙者の場合は体内に入ってきた有害物質を分解して無害化する為にビタミンCを消費する為、一般よりも2倍のビタミンCの摂取が理想とされています。また、お酒を嗜む方の場合は体内に入ったアルコールの分解に使われるナイアシンが不足しやすくなる為、意識的に摂取した方が良いでしょう。

他、ビタミンは一見過剰摂取によるリスクが無いと思われがちですが、上述通りサプリメントなどを使って摂取した場合は種類によって過剰症により体調不良や時に病気になる原因となります。勿論自然食品であっても食べ過ぎは有害である事に変わりはありませんが、自然食品から特定のビタミンをとりすぎるという事は殆ど無いので、やはり野菜や果物、勿論お肉も含めバランスの良い食生活を心掛けるのが理想ですね。