重要なタンパク質の話

2021年5月12日

プロテイン

タンパク質は、筋肉や臓器、皮膚などのあらゆる人体の構成成分となっている物質です。人体の約60%は水分で出来ていますが、これを除くと約半分近くをタンパク質が占めています。タンパク質は20種類のアミノ酸から構成されており、人はこのアミノ酸の様々な組み合わせによって役割の異なるタンパク質を体内で作り出しています。このページでは人が生命を維持する為に必要な三大栄養素の一つであるタンパク質の効率の良い摂取や体内で作られるタンパク質の話を纏めています。

タンパク質はアミノ酸の合成物

タンパク質を含む食品と言えば漠然とお肉を思い浮かべますよね。他にも畑の肉と呼ばれる大豆にも豊富にタンパク質が含まれている事が知られていますが、これらに含まれるタンパク質は摂取しても直接人体のタンパク質として使われる訳ではなく一旦消化されアミノ酸に分解された後、再びタンパク質に合成され人体のあらゆる箇所に使われます。

体内でタンパク質を合成する際に必要な20種類のアミノ酸の内、どれか一つでも欠けるとタンパク質を合成する事ができません。その20種類の内、グリシン、アラニン、グルタミン酸、グルタミン、セリン、アスパラギン酸、アスパラギン、チロシン、システイン、アルギニン、プロリンの11種類は体内で作り出せますが、バリン、ロイシン、イソロイシン、スレオニン、メチオニン、リジン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジンの9種類は体内で作り出せない事から、食品からの摂取が必要な必須アミノ酸と呼ばれています。

良質なタンパク質とアミノ酸スコア

闇雲にただただタンパク質が含まれる食品を摂取しても、効率良く体内でタンパク質に合成される事はありません。摂取したタンパク質に含まれるアミノ酸に偏りがあった場合、それらは消化後にタンパク質に合成される事なく体外に排泄されます。そこで重要なのが良質なタンパク質を取る事です。良質なタンパク質とは一体何か。これは上で挙げた必須アミノ酸がバランス良く含まれているタンパク質の事を指します。必須アミノ酸がバランス良く含まれている食品はアミノ酸スコアを調べる事で知る事が出来ます。

アミノ酸スコアはタンパク質の量と、そのタンパク質に含まれる必須アミノ酸のバランスによって評価された点数です。第一制限アミノ酸という、そのタンパク質の中で最も不足している必須アミノ酸を使った計算式で点数を出していますが、アミノ酸スコアが高いほど良質なタンパク質となります。やや古いデータになりますが日本食品分析センターの資料(PDF)では大豆、卵、牛乳、牛肉、豚肉、鶏肉、魚類がアミノ酸スコア 100となっています。100に満たない食品としては白米が65、ジャガイモ 68、里芋 84が掲載されていますが、単体では100に満たない食品でも組み合わせによってバランス良くアミノ酸を摂取する事で体内でタンパク質を合成する事が出来ます。また、大豆に関しては以前までアミノ酸スコアが86となっていましたが、これは古い評価基準によって算出されたもので現在は100となっています。

因みに文部科学省の食品成分データベースでは食品を検索して、その食品に含まれる主要な栄養分を調べる事が出来ます。更にその食品のタンパク質に含まれるアミノ酸も可食部100g、基準窒素1g、たんぱく質1gの割合から調べる事が出来ます。

プロテイン製品

プロテインという響きはボディービルダーやアスリートが摂取している特別な薬品のように聞こえますが、タンパク質を英語にしただけの物です。つまりタンパク質=プロテインです。ただ一般的に販売されているプロテイン飲料や食品は特別な方法で抽出したタンパク質が使われており、一般的な食品よりも効率良くタンパク質を摂取する事が出来ます。

プロテイン製品は大きく分けると動物性の物と植物性の物の2つに分けられます。動物性プロテイン製品の多くは牛乳が原料で、水溶性の消化吸収が早い物がホエイプロテイン、不溶性で消化吸収が緩やかなのがカゼインプロテインとして販売されています。植物性プロテインの多くは大豆が原料となっており、これらはソイプロテインとして販売されています。植物性プロテインも消化吸収が緩やかなのが特徴です。

それぞれのプロテイン製品には特長があり一般的に筋肉を増やしたいという方には吸収の早いホエイプロテインが向いていると言われています。また、同じ牛乳が原料のカゼインプロテインは吸収が緩やかな事から腹持ちが良くダイエット向いていると言われています。ソイプロテインも同様に吸収が緩やかな特徴からダイエット向きではありますが、牛乳由来のプロテインに含まれる乳糖が消化出来ない乳糖不耐症の方にもお勧めです。他にもまだ明確にはなっていませんがホエイプロテインが肌荒れの原因になる事も指摘されており、個人差による相性があるとは思いますが植物性のプロテイン製品の方がリスクが少ないようです。

タンパク質の話の纏め

タンパク質の話を纏めるとアミノ酸スコアの高い食品の摂取や、低い食品であっても組み合わせ次第で体内のタンパク質の合成に高い効果が得られます。効果的にタンパク質が体内で作られれば健康維持に良いのは間違いありません。基本的には多様な食品を日頃から摂取する事であらゆる栄養バランスを保つ事が重要ですが、元々小食な人や高齢で食が細くなった方はアミノ酸スコアの高い物を中心に摂取するのが良いでしょう。筋肉の増強が目的と思われがちなプロテイン製品ですが、普段の食生活でタンパク質が不足がちと感じていたら健康維持のためにプロテイン製品を利用するのも良いかもしれません。